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友達が痴漢でつかまったら人は

毎年エイプリルフールを心待ちにしているハラキリさんは

三月のはじめくらいからそわそわしだして

今年はどんなウソをついてやろうかな、と計画を練るわけですが


2010年度は、友達みんなに

ただおさんが痴漢でつかまったって!!

という共通の知人に関するウソを広めてやろう、と決心したわけです

誰もが同じウソに踊らされ、やがてウソが嘘でなくなる、という一大スペクタクルですね



「ただおさんが痴漢で捕まったって!!」

とまずは一番ひっかかりそうな天然系女子にメールするハラキリさん

「えっ!?ホントにっ?何線でっ!?」

ぷぷっ、完全に信じてますやん、くくっ、なんだろう、この胸にこみあげるうれしさは。

エイプリルフールがある国に生まれてよかった

「千代田線らしいよ・・・でも朝の千代田線はすごく混んでいるし

最近は痴漢にあった、って言ってお金をとろうとする人もいるらしいから

俺もただおさんがなにかやったなんて信じてはいないけどね。

でも、もし皆で何かできることがあったら協力していこう」

くくっ、ウソなのに、なんだろ、このいい男みたいな俺☆いい友達過ぎて泣けてくる


で、調子づいて次はただおさんの幼なじみにも同じウソを

「ただおさんが痴漢でつかまったらしいですよ!!」

「えっ、ウソ!何線で?」

いやいや、何線ででもいいですやん笑。

何線で捕まったかによってどんな違いがあるっちゅーねん!

それよりこれからどうするかを考えていこうよ、まったく


さらにもう一人、共通の知人にも同じウソをつく俺

「ただおさんが痴漢でつかまったんだって!」

「えっ?

何線でっ!?



結論:人は、友達が痴漢でつかまったら

何線でつかまったのかを知りたがる生き物である



theme : 日記
genre : 日記

合コンwithビューティ・モンスター

前回までのあらすじ

四連休になにも予定がなく過ごすのは負け犬だ!という強迫観念にかられたハラキリは、必死で四連休の予定を埋める旅にでる。
そして、いっちょ四連休にでかい花火を打ち上げてやろう!とインターナショナル合コンを企画したハラキリ。
がんばって居酒屋をセッティングし、ただお呼ばれして来るだけのくせにあんま乗り気じゃない男子たちを集め、いざ当日・・・。
そこにあらわれたのは、美の怪物・ビューティモンスターだった・・・


で、まぁ、やっぱ相手は外人だからかな、

僕らがテレビを見て覚えた合コンの鉄則なんていうのは

まったく通用しないわけですよ


まず、合コンの大原則である

「女の子は自分よりかわいい娘を絶対連れてこない」

という法則を軽くやぶって

モデルみたいな娘を一人ね、バチコーンっ!て放り込んできたわけですよ!

火花が出るような美人をですよ、登場するときにドギューーンっ!て音がしたもんね


それだけ聞けば、なんかラッキーみたいに聞こえるかもしれんけど

いや、あれはあかんで、ホント


日本人ならまだしもね、白人さんであんまきれいだと、なんか神々しい感じになるやないですか

実写版ファイナルファンタジーですからね、ホントに。

DNAに刻まれた人種的劣等感もあいまって、もう、もじもじするだけで精いっぱい。

ていうか、なに?なんであんなのが巷を普通に歩いてますのん?

ハリウッド行けばええやん、おれやったらそうするで、て思った


他の人も皆かわいい娘ばっかで、本来であればそれでよっしゃ、よっしゃ、となるはずやったのに

異次元の美しさを持つ魔物がそこに一人入り込んでしもうたばっかりに

場の磁場がゆがんでしまい、合コン会場がフレミング左手の法則だった


またね、この美人がおっしゃれな靴をはきよるんですわ、これがまた!

ええ!?美人なだけでは飽き足らず、おしゃれまでそこに放り込むのっ!

手加減なしやん!美の相乗効果で世界はきみのもんやん!!

しかも、日本語がぺらっぺらなんですよね、なにその美しいだけでは飽き足らない態度っ!

陸海空すべてを制しようとするつわものを前に、

風呂なしアパートに住む男がいったいどんな顔をすればいいのか、っていう話ですよ!


圧倒的な美の前に、僕のこの日のために茶髪にした髪がしなっ、てなるのをありありと感じた・・・

それはあまりに強大なもので

田舎に帰って満点の夜空を前にした人間が

「あぁ、自分の悩みなんてちっぽけなものなんだな、明日からがんばろう」

と思ってしまうのと同じくらい、自分の小ささをありありと感じた


美しさに打ちのめされながら、僕は思ったんだ・・・

いったい、何ヘクタールの自信があったら、この人をゲットしよう!なんて大それたことを思えるのだろうか?

いつかは僕も、アメリカのとうもろこし畑のような広大な自信の真ん中で

自信の地平から昇り来る太陽に、目を細めることができるのだろうか・・・


そんなことを思っていたら、

「あ、おれ、連絡先きいたよ」

と俺の友達がのたまった。


すっ、すげぇ・・・なんなんだろう、この人の自信はいったいどこから来るんだろうか・・・

いったいいつきいたのかな?やっぱ俺が、

広すぎる二次会のカラオケ会場で

「じゃあ、男子はこっちで、女子はこっちね、ちょっと、もう移動してよー、ちょっと男子ぃ、言うこときいてよぉ」

と掃除の時間のときの副委員長みたいになってテーブルを移動したりしている間にですかっ!

カッコ悪っ!


結局、皆かわいかったのに誰一人として連絡先を聞けず

そのわりには死ぬほど疲れて帰る帰り道

俺の負け犬さ具合は四連休を何もせずに過ごした人の比じゃなかった

合コンに来た女の子がきれいすぎた、と日記を更新している俺は

負け犬業界、期待の新星と言ってもなんら差し支えないだろう、と思った

二十世紀が生んだ最後の負け犬、全米が泣いた!!


その日、一人で帰る夜道の都会の空には星もなくて、たいして美しくもなく

美にうちのめされ、自分の小ささを見つめる僕にやさしかった


で、夜の三時まで千原兄弟のコントを見て、笑って一日が終われたからまぁいいか、と思って

次の日、杉並区アニメミュージアムでパラパラ漫画を描いているときの

俺の心の落ち着きようったらなかったね!

昨日のちっちゃな僕がうそのように、そこではのびのびと絵を描いていて

あぁ、俺は、こっちなんだな、って思ったドン!


どんなに青春ぶってデート週間とか合コンとかやってみても

全然うまくいかなくて

でも、そういうのが逆に青春だよ、って

秋風が僕にささやく九月です。


本を読んで過ごします、一人でいると安心だよ☆

部屋を片付ける生き物たち

人としてもっともやっちゃいけないことの一つに

友達の家でセックスするっていうのがあると思うんですよね

友達はみんながみんな、おまえにセックスの場所提供するために

家賃払ったり寝具そろえたりインテリアにこったり

してるわけじゃないんだぜ、おまえはそれ わかってんのか

わかってねぇってねだってそやってまたヤってくのかー


ハラキリさんちで、痴女が童貞を食ったんだ

痴女にとって、童貞というのはブランドみたいなもので

童貞を食った数だけ、痴女は胸にバッジが増えるんだ

だから、痴女は童貞と見れば食うし、食った数を誇る

童貞を食えば食うほど強くなる、痴女はそう信じているらしい


まぁでも、別にね、痴女が童貞を食ってもかまわないわけですよ

それが俺んちで行われた、という事実についても(被告は訴えを否定しているものの、状況証拠すべてがそれを示唆している)

まぁ、ハラキリさんは大きな器で見逃してやろう、としていたわけですよ

いいってこーとよ、おおめにみぃーるよ

ってなもんでね、大人なんでね


したらですよ、その痴女がですよ、俺と会うたびに

「それにしてもハラキリの家は汚かったな~、よくあんなところに住んでいたもんだ」

とかいい放つわけですよ、それはもう関西のお寒い芸人が使う毎度おなじみのギャグのようにね

毎回、毎回、言いやがるわけですが


おまえはそこでセックスしといて

よくそんなことがいえたもんだなぁ!!



てなもんじゃないですか!

その汚い雰囲気でところかまわずセックスしている自らのケダモノさ具合を棚にあげてですよ

セックスをさせていただいた紳士のやさしさをですよ

関西のお寒い芸人のお決まりギャグとして使っているわけですからね!


しかも言うにことかいて、痴女はなんて言ったと思います?


「ハラキリの家には、恥ずかしい毛が落ちていた」


いやいや、それは


きさまらが裸になって

そこらじゅうにまきちらかしたんじゃろーがぁ!!



もうね、ありえないでしょ?

そこでね、ハラキリさんは考えたわけですよ

何がそこまで、彼女を損なってしまったのか・・・

セックスをさせていただいたうえに、その部屋を汚かった、と周知してまわるためには

そこに留保なき心の傷があるはず・・・

なにかが彼女を損ない、その結果、彼女は痴女となった・・・


そのとき、ハラキリさんはハッと気づいたわけです

痴女が子供のころ、カレーを作ってもらった日の話を・・・

普通の家であれば、カレーを作られた日の一日目は普通のカレー、

そして二日目にカツカレー、最後にカレーうどん、という流れをくむところを

痴女は初日にカツカレー、二日目に普通のカレーを食わされていたわけです

俺は尋ねた

「えっ?でも初日から最高のカードを切って、二日目にただのカレーだったら

がっかり感がはんぱなくない?

カツカレーマジックを使ってこそ、カレーの使い回しは成立するものじゃないの?」

と・・・すると、痴女は答えた

「なにを言っているの!二日目のカレーはただのカレーなんかじゃない!

二日目のカレーはね

さらにおいしくなったカレーなのよっ!!」


彼女の両親が彼女に言い聞かせてきた言葉が、ありありと俺の前によみがえった

彼女にとって、カツカレーのカツは、半人前のカレーを補完するためのものであって

それによってテンションがあがる、といったものではなかった・・・

しかし、本来、カツカレーとは最高にテンションがあがるものであり

もし、二日目のカレーこそが本当においしいカレーであるとするなら

そこにこそ、カツはのせられるべきものなのだ

決して、半人前のカレーを補うために、カツカレーは使われるものではない

一日目にカツカレー、そして二日目にプラシーボカレーを食わされ続けたことによって

彼女の心は損なわれ、そして

彼女は痴女になった

セックスは、痴女にとって、カツにすぎないものなのかもしれない・・

多くの人がカツカレーでテンションMAXとなり、そのためにセックスをしているところを

彼女はまだ見ぬ「さらにおいしくなったカレー」を追い求めるために

セックスをしているのかもしれない・・・カツカレーの向こう側を求めて

カツカレーを食べ続けるインド人を僕は思い浮かべた・・・


痴女が童貞を食べたあと、俺の部屋は死ぬほどきれいに片付いていた

多くの人がそうであるように、彼女たちもまた

友達の家でセックスをしたあとは、そこを片付けて帰る生き物だったのだ

それは善意というよりは、犯行の跡を消そうとする犯罪者の心理

しかし、CSIを見まくっている俺は

ブラックライトで照らすことによって、そこに犯行の跡を見ることができることを知っていた


きみの家にやつらが来て、部屋を片付けてかえった日には

注意をしたほうがいい

人間とは、人んちでセックスした後、部屋を片付ける生き物なのだから・・・

theme : 日記
genre : 日記

ビュッフェとバッフェ その2

previously on harakiriroman

おフランス式立食パーティを「バッフェ」と呼ぶハラキリさんに対し

雰囲気だけのおしゃれにこだわるメスブタ二匹は

「それはバッフェじゃなくてビュッフェでしょ、ぷぷっ!

なにバッフェって、馬糞の比較級?」

などと言いたい放題。さらには

「グーグルかなんかで「バッフェ」で検索してみー。

もしかしてビュッフェではありませんか?

てでてくるからよー、ぶっひょっひょっひょ、バッフェて!

おしゃれビュッフェをバッフェと呼ぶのなんて

世界中でハラキリくらいのもんだぜー!!」


しかし、どうもしゃくぜんとしなかったハラキリさん

かえって家でバッフェを検索してみることに・・・


あれ、バッフェ、あるじゃん。バッフェ原宿、みたいな店があるやん。

続いてビュッフェで検索・・・あるね、ビュッフェていう名前の店もある


さらに引き続き検索していくと、驚くべき結果が・・・


どうやらおフランス式立食パーティを「ビュッフェ」とおしゃれぶって呼んでいるのは日本だけで

基本的には、バッフェが国際標準、という事実!!


さっそくこの事実を、あのメスブタどもに報告


「国内的な規模で日夜働く皆様へ

島国根性お疲れ様です。先日は井の中のかわず大海を知らず、さんざんなことを言ってくれましたね(ビュッフェとバッフェ、その1.参照

あれから調べてみたところ、国際標準バッフェをおしゃれぶってビュッフェって言っているのは

この被爆国のあわれな原住民のみだ、ということが判明しました。

まぁ、永遠に国内的規模で活躍する皆さんにおかれましては

バッフェをビュッフェと読み間違えたまま一生を終えても、なんら不都合はないのかもしれませんが

一応、万が一国際的なシチュエーションになった際に、ビュッフェなどと口走り

世界中の人々からホワッツザファック!!と言われないよう

こうして教えている次第であります。

それでは、これからも国内的活躍、期待しています」


と親切に教えてあげたところ

「えー、なにそれ、まだ言ってんの?」

というような返事がほとんどでした。


まったく、ビュッフェどもはこれだからな・・・

表面だけを取り繕い、自らの過ちさえ認めず

おしゃれそうな雰囲気だけを求めて、人生を終える生き物・・・それがビュッフェ


ビュッフェだらけの世界に吐き気がして、違和感にまみれていた俺に

バッフェをくれたのは、ブルーハーツだった

「フランス語で虹」みたいなビュッフェな言葉だらけの空っぽの世界で

簡単だけど真実をつらぬくヒロトのバッフェに、俺は泣いた


青山一丁目、という地名をきいただけでなんかテンションあがるビュッフェをしり目に

俺たちは蒲田で本当の話をしているのさ

お台場でビーチパーティ、などというビュッフェな言葉に騙されて

誰もこない海岸で世界のナベアツと共に待ちぼうけをしたあの夜

もうだめだと思うことは、いままで何度でもあった

ビュッフェどもに冷たくされて、一人ぼっちで泣いた夜

もうだめだと思うことは、いままで何度でもあった

間接照明ってちょービュッフェじゃん、というテレビに騙されて

間接照明で読書して目が悪くなったあの夜

もうだめだと思うことは、いままで何度でもあった

ビュッフェな一皿2000円を頼んで、ちょーちっちゃい料理がでてきて

さらにテーブルチャージが千円で

食べ終わったあと、松屋へ向かったあの夜

もうだめだと思うことは、いままで何度でもあった


ぱっと見がいいだけのビュッフェにやり逃げされたあの娘を

一晩中なぐさめていたあの夜

おいしいところだけ持っていくビュッフェと、ビュッフェのしりぬぐいをし続けるバッフェ


それでも、俺はビュッフェになんかなりたくない

バッフェのままでいい

それが・・・俺だから


いつも、心にバッフェを

theme : 日記
genre : 日記

ハコスケと伊豆 その2

朝起きて、朝ごはんを食べたあと、部屋に戻ると

箱助が突然、うなりだした


普通にしゃべっていたら、いきなりヘッドホンのようなものを耳につっこみ

何語ともつかない言語と、音程というよりは強弱とあらわすほうがふさわしいアクセントをつけて

「うぅうー、うっ!おぉーおおお」

とうなりだしたのだ


最初は歌っているのかな、とも思ったものの

人としゃべっている途中でいきなりヘッドホンを頭につけて

歌いだす人はいない

たぶん、あれは・・・ヘッドホンのように見えるけど

脳に直接電波を送る装置で

その装置の力によって、箱助は今、完全に

きつねにとりつかれているっ!!


さっそく部屋の入り口のドアを開け放つと

伊豆のおしゃれペンション全体に、箱助の獣の声がこだました

そのまま、宿泊客全員に不吉な一日のはじまりを予感させるBGMを提供し続けるハコスケ。

俺は 俺の存在がまったく目に入らなくなったハコスケを置いて、隣の部屋へ移動。

隣の部屋のオナゴどもに、箱助がきつねにとりつかれて、うなりだしたことを説明

女子二人も確かに、その声からただならぬものを感じていた

人々を理屈抜きに不安にさせるうなり声・・・

もしその場に霊感商法の人がきて、「きつねつきにはこの壺がいいのよ!」

と言われたら、誰もがその言い知れない不安感から、購入を検討してしまっていたことだろう・・・


その後、箱助に朝の出来事について、あれはいったいなんだったのか、

歌っていただけなのか、と問いただしたところ


「・・・なんのこと?朝なんかあったっけ?」

「いや、ほら、朝ごはん食べたあとにさ、なんか歌ってたじゃん、うなってたの?」

「え?全然覚えてないんだけど・・・」

という返事が・・・。

きつねにつかれている間の記憶は

箱助に、まったくなかった・・・。


さらに、その歌をきかされた女子の記憶領域にも異変は訪れ

「いやいや、箱助がうなったのは、朝ごはんを食べる前だよ!」

と主張しだした・・・箱助は朝ごはんですよコールで起こされて

直接食堂へやってきたのに、だ。

さらに箱助のうなり声の影響はこの女子に大きく

次にいったペンションでは、すでに四人で旅をして二日目の夕方だというのに

「四人じゃなくて、五人ですよ!宿泊客は五人です!」

と、招かれざる一人を人数に加えてしまう始末・・・。

彼女には、見えたのだろう、五人目の誰かが・・・。


皆さんも、きつねつきにはじゅうぶん気をつけてください



theme : 今日のつぶやき。
genre : 日記

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