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加藤なみこ
「なによ、まったく男のくせに情けないんだからっ！」
「。。。はい、すいません」
加藤奈美子２６歳、成績ナンバーワンの営業マンであり
いたる店舗でうちの会社の商品の棚を増やしているやり手
ただ、加藤氏の口癖の「男のくせに」が
社内ではえらく不評であり、影ではマスラオ女、と呼ばれている
マスラオとは、男の中の男、という意味らしい
「ちっ、あのマスラオがよぉ！俺のほうがいくつ年上だと思ってんだっつーの！
ったく、遠慮ねぇにもほどがあるだろ？なぁ
年中無休で無礼講か、おぉ？」
「いやぁ、まぁまぁまぁ、さ、飲んで飲んで
でも確かに加藤氏のあれは、ちょっとマスラオすぎますよね～」
「だっろ！マスラオ過ぎんだろ？トゥーマッチマスラオなんだよ
男性ホルモンがよぉ！分泌しまくってんだよ、あのマスラオはよぉ！毎朝ひげそってんじゃねぇか
あの女ぁ」
「あ、おもしろいこと考えつきましたよ☆
女子社員っていうには、だいたい風説を流す生き物じゃないですか
他社から妨害工作にやってきたんじゃねぇか、おまえらわっ！
てなくらい、風説を流すじゃないですか
だからね、俺たちもその女の特権をやってやればいいんですよ」
「ほぅ、加藤奈美子に風説の流布か。。。おもしろそうだな
どんなんだ？」
「名付けて、”加藤奈美子のわきげがボーボー作戦”」
「ははは、はえてそう！俺より濃そう！」
加藤奈美子のわきげがぼーぼー、という噂は
三日とたたず社内中の人間が知るところとなった
風説の流布のエキスパートである女子社員が
このうわさに食いつきまくったからだ
彼女たちは、仕事ができるうえに顔もまぁまぁかわいい、という
加藤奈美子に、そんな欠点があったなんて！
と喜々としてわきげ疑惑を世界中に広めた
「なんでも向こうでの生活が長かったかららしいわよ」
「まぁっ、わきげを処理するなんてださいって
思っているのかしらっ！
なんか、負けた気がするっ！」
「いや、違うわ！加藤さんは向こうで暮らしてなんかいないもの
加藤さんにはね、ヨーロッパ人の彼氏がいるのよ
彼がベッドで甘くささやいたんだわ
”へい、奈美子。きみはどうしてわきげをやっつけるんだい？
奈美子は奈美子のままでいいじゃないか
僕にはきこえるようだよ、わきげジョバンヌたちの悲鳴がね
生まれたからには、大きく育ちたかったわき、ってね”
それでイチコロよ、この国の小さな価値観からは
さっとさわやかにおさらばしたのよ」
「えっ、なにそれちょっと！つまりあれなの
奈美子さんは私たちがこの国の小さな価値観に閉じこめられてるって
そう思ってるわけっ！
私たちの考えを”うさぎ小屋で育つとそうなっちゃうのね
ふん、かわいそうな人たち”て思っているってことっ！？
私のエステにいって３０万円払ってぴかぴかに処理してもらったわきの下を見るたびに
”島国根性丸だしじゃない”って思っているってことっ！？」
「もちろんそーよ、で、毎晩ベッドでジェロム・レ・バンナみたいな男に
激しく身体を求められたあとのピロートークで
我々イエローモンキーの器の小ささについて
まったりと語り合うのよっ」
「なっ、なに、ジェロム・レ・バンナって！誰かわからないけど
ちょーかっこ良さそう！奈美子さんの彼氏は
ジェロム・レ・バンナのような顔をしているの？」
「そうよ！私もジェロム・レ・バンナが誰だか
いまいち思い出せないけど、きっとそのくらいかっこいいのよ
なんといってもヨーロッパ人だからね
イアン・シャファーみたいに大きくて優しいのよ」
「なに、イアン・シャファーって！大きくてやさしそう！
いいなぁ、私もジェロムみたいな彼氏ほしいなぁ。。。
でもわきげはちょっとなぁ。。。」
「そんなことを思ったら、それこそ加藤さんの思うつぼよ！
加藤さんは毎晩Ｊ・Ｚ・カルバンのヒップホップみたいなしゃべりかたにうっとりしながら
私のようにわきげをはやすことは、あの娘たちにはできないでしょうね
あなたたちはポケットに入らない大きさのサイフをもって
昼休みに会社の前にやってくるお弁当屋さんの前にならんでいればいいのよっ！
て思っているんだからっ」
「なにそれ、ちょーくやしいっ！
ちょっとわきげがはえてるくらいで、いい気になってるんじゃないわよ！」
「。。。はい、すいません」
加藤奈美子２６歳、成績ナンバーワンの営業マンであり
いたる店舗でうちの会社の商品の棚を増やしているやり手
ただ、加藤氏の口癖の「男のくせに」が
社内ではえらく不評であり、影ではマスラオ女、と呼ばれている
マスラオとは、男の中の男、という意味らしい
「ちっ、あのマスラオがよぉ！俺のほうがいくつ年上だと思ってんだっつーの！
ったく、遠慮ねぇにもほどがあるだろ？なぁ
年中無休で無礼講か、おぉ？」
「いやぁ、まぁまぁまぁ、さ、飲んで飲んで
でも確かに加藤氏のあれは、ちょっとマスラオすぎますよね～」
「だっろ！マスラオ過ぎんだろ？トゥーマッチマスラオなんだよ
男性ホルモンがよぉ！分泌しまくってんだよ、あのマスラオはよぉ！毎朝ひげそってんじゃねぇか
あの女ぁ」
「あ、おもしろいこと考えつきましたよ☆
女子社員っていうには、だいたい風説を流す生き物じゃないですか
他社から妨害工作にやってきたんじゃねぇか、おまえらわっ！
てなくらい、風説を流すじゃないですか
だからね、俺たちもその女の特権をやってやればいいんですよ」
「ほぅ、加藤奈美子に風説の流布か。。。おもしろそうだな
どんなんだ？」
「名付けて、”加藤奈美子のわきげがボーボー作戦”」
「ははは、はえてそう！俺より濃そう！」
加藤奈美子のわきげがぼーぼー、という噂は
三日とたたず社内中の人間が知るところとなった
風説の流布のエキスパートである女子社員が
このうわさに食いつきまくったからだ
彼女たちは、仕事ができるうえに顔もまぁまぁかわいい、という
加藤奈美子に、そんな欠点があったなんて！
と喜々としてわきげ疑惑を世界中に広めた
「なんでも向こうでの生活が長かったかららしいわよ」
「まぁっ、わきげを処理するなんてださいって
思っているのかしらっ！
なんか、負けた気がするっ！」
「いや、違うわ！加藤さんは向こうで暮らしてなんかいないもの
加藤さんにはね、ヨーロッパ人の彼氏がいるのよ
彼がベッドで甘くささやいたんだわ
”へい、奈美子。きみはどうしてわきげをやっつけるんだい？
奈美子は奈美子のままでいいじゃないか
僕にはきこえるようだよ、わきげジョバンヌたちの悲鳴がね
生まれたからには、大きく育ちたかったわき、ってね”
それでイチコロよ、この国の小さな価値観からは
さっとさわやかにおさらばしたのよ」
「えっ、なにそれちょっと！つまりあれなの
奈美子さんは私たちがこの国の小さな価値観に閉じこめられてるって
そう思ってるわけっ！
私たちの考えを”うさぎ小屋で育つとそうなっちゃうのね
ふん、かわいそうな人たち”て思っているってことっ！？
私のエステにいって３０万円払ってぴかぴかに処理してもらったわきの下を見るたびに
”島国根性丸だしじゃない”って思っているってことっ！？」
「もちろんそーよ、で、毎晩ベッドでジェロム・レ・バンナみたいな男に
激しく身体を求められたあとのピロートークで
我々イエローモンキーの器の小ささについて
まったりと語り合うのよっ」
「なっ、なに、ジェロム・レ・バンナって！誰かわからないけど
ちょーかっこ良さそう！奈美子さんの彼氏は
ジェロム・レ・バンナのような顔をしているの？」
「そうよ！私もジェロム・レ・バンナが誰だか
いまいち思い出せないけど、きっとそのくらいかっこいいのよ
なんといってもヨーロッパ人だからね
イアン・シャファーみたいに大きくて優しいのよ」
「なに、イアン・シャファーって！大きくてやさしそう！
いいなぁ、私もジェロムみたいな彼氏ほしいなぁ。。。
でもわきげはちょっとなぁ。。。」
「そんなことを思ったら、それこそ加藤さんの思うつぼよ！
加藤さんは毎晩Ｊ・Ｚ・カルバンのヒップホップみたいなしゃべりかたにうっとりしながら
私のようにわきげをはやすことは、あの娘たちにはできないでしょうね
あなたたちはポケットに入らない大きさのサイフをもって
昼休みに会社の前にやってくるお弁当屋さんの前にならんでいればいいのよっ！
て思っているんだからっ」
「なにそれ、ちょーくやしいっ！
ちょっとわきげがはえてるくらいで、いい気になってるんじゃないわよ！」
