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j-popになぐられて

カズヒロが音楽を聴き始めた


だいたい、俺たちが中学になるくらいから

カッコつけてるヤツから順番に皆 音楽をききだすんだ

しかし、俺とカズヒロはそのムーブメントにガンとして逆らい続けた

突然音楽を聞き出すというのは、なにか

いままで「僕」と言っていたのに

急に「俺」と名乗りだしたときのような

気恥ずかしさがあり

なんだか のれなかった(しかも、私、音楽聴いてる~♪と言っているやつが、皆嫌いな感じのやつらばっかりだった)

(ちなみに皆で集まって体育館裏でたばこを吸うのも

同じような恥ずかしさがあり、乗れなかった俺とカズヒロ)


が、しかし、だ

ここへきて、カズヒロが突然音楽なんぞを聴くようになった

俺は、べっ、別におまえが音楽聴くことなんて

ちっとも気にしちゃあいねぇけども

というふうを装って

それとなぁく、カズヒロに尋ねた

どうして、急に音楽を聴くようになったのか



カズヒロは、いやぁ、なんとなくだよ

とかふざけたはぐらかしをかましながら

俺にCDを貸してくれた


これ、すごくいいから聴いてみて

だと


こいつ、完全に上から見下ろしてやがる!


高校生にもなって音楽の良さがわからない俺に、音楽への扉をひらいてあげる

みたいなキャラ設定を自分のなかで作って

菩薩のような笑みであわれな文化的発展途上国タクマに物質的援助のつもりか?えぇ?


100年はぇえんだよ、カズヒロのくせによぉ、えぇ!

でやんす、~でやんす、てこないだまで言ってたようなやつがよぉ

おしゃれぶって俺に「これ、いいからきいてみ」だぁ?



まぁ、しかし、せっかくだ、聞いてみよう

そして、プレイボタンを押し、すぐにへんな違和感が・・・

なんだろ、これ、身体がむずむずして、なんか恥ずかしい・・・


ちょっと聴いてみて、それがいい音楽なのかどうなのかわからないものの

なんとも言えない微妙なむかつきを覚えた俺は

念のためにカズヒロが貸してくれた他のCDも一通り聞いてみて

そのすべてにもれなくむかついたので

もしかしたらカズヒロの趣味にむしずが走っているのかも

とも思い、コンビニのBGMで流れるほかの音楽にも耳をかたむけてみた


ぜっ、ぜんぶムカつく・・・


「俺は~いま、ちょっと忙しくって

あいにはいけないからー

そっちからー くればいいのにぃ~♪」



俺は音楽についてはまったくわからない、が

やつらの歌詞が俺をムカつかせていることは間違いない


カズヒロが貸してくれたCDは全部女性ボーカルで(俺はこの選曲に

「女の子としゃべれない僕たちでも、女の子の声をきくことができるんだよ」

みたいなカズヒロのふざけたメッセージを受け取った気がした)

歌詞はもれなく恋の歌


ずっと凍えていたの・・灰色の世界で・・・

あなたと 出逢うまえまでは



生きているって感じれなかった・・・

痛みも 喜びも すべてがうすい膜の向こうの出来事のように・・・

そう・・・あなたと出逢うまでは




え?なに?

いまだにあなたと出会う前の世界まっただなかの俺に言ってんのか?えぇ?


それはつまり、灰色の世界の住人のホープレスな俺に、遠まわしに

死ね、て言ってるの?


恋もせず、痛みも喜びもうすい膜の向こうの出来事まっただなかの俺は

灰色の世界で凍え続けて17年な俺は

うまれてこの方 一度もあなたと出逢ってない俺は

いったいなにが楽しくて生きてるんですかね~?て歌ってんのかコラァ!!



薄い膜のなかで生きてるってのかぁ!!童貞だから膜のなかだってかぁ!!

守られ放題だっつーのかぁ!俺の人生を

遠まわしにやわらかく、ロマンチックに否定してくれる歌声

「やっぱ、あの曲は歌詞がいいよね~」

とかほざくクラスメイト・・・



だから・・・音楽なんて・・・聴きたくなかったのに・・・



とにかく、やつらの文体はこうだ


世界は基本的にクソ、でも恋があるから生きていける



失恋の歌でもそう



あなたといた夏がうそのように

そう・・・一人で歩く冬の街は寒くて・・・寒くて



いやいや、夏に比べりゃ

そりゃ、冬は寒いっしょ


とにかくね、過去形であなたがいた季節のすばらしさを語られたり

過去形で、あなたと出逢う前の世界のさみしさを歌ったりしまくるのが

王道パターンみてぇだけど


その あなたがいない過去形まっただなかの俺のような人間に

申し訳ないみたいな何かはないのかな



あぁ、もうとにかく、きみとであってすべてがかわった

世界が急に色をつけて ごはんもおいしく三杯おかわりしたよ

きみと出会って、宿題忘れの回数がへったんだ


あぁ、いとしのきみよ・・・あぁ、もう


とてもじゃないけど



言葉では言い表せないっ!!




いやいや、言葉では言い表せないって

さんざん言葉で歌ってきておいて

最後のまとめがそれかよ、おい


言葉で言い表せないって この人

ひとつのアルバムで5回も使ってるからね!!


ちょっと誰か、かわりに歌詞を書いてあげてっ!!

これで印税もらって、いいの?大丈夫?



ていうか、言葉で言い表せないって


だったら、ラララで歌ってろよ、なぁ


いままで、さんざん


俺の心を切り裂いてきた君の言葉たちは


いったいなんだったのォオオオオオ!!!




後日、カズヒロに


「もれなくクソでした」

と書いた手紙をそえて、CDは返した


二個ほど、ケースにヒビがはいってたのは

俺のせいじゃないよ、って言い張ったし

theme : ひとりごとだよ。独り言。(-?ゝ-)ゞ
genre : 日記

invite

「今度の日曜は、わりぃ、もう予定入ってて・・・

すまんな、もちっとはやめに誘ってくれたら

いけたんだけどな

もう金曜じゃん、やっぱ二日前にいわれてもさ

三連休だし、予定あいてるやつのほうがいねぇと思うよ」


ふぁぁああああっく!!


いやいや、ちょっと待って、なにその

「おまえがのんびりしてっから

三連休一人ぼっち確定だぞ☆

今から探したって誰もいないぞ

このすちゅぴっどぼ~い♪」



みたいな決め付け!

ぜってー見下してるし!こいつ、確実に

俺のこと、暇人だと思ってやがるっ!

このいそがしぶりっこ天国ジャパンで

暇人呼ばわりされるとわっ!!

忙しいんだよ、俺だって!

忙しぶってリスペクトされたいねん!!くそっ

昨日の俺の睡眠時間とか尋ねてきやがれちくしょー!

そもそも、このタクマ様はちゃんと二週間前から

三連休予定ぎっしり計画へ向けて動き出していたっつーの!


ー二週間前ー


「なぁ高田、次の次の日曜さー、

東京ゲームショウいかねー?

けっこうでかくてすごいらしいぜ☆」


「あぁ、考えとく

ちょっとまだ予定わかんねーから

わかり次第、こっちからメールするわ」


ていう考えとくよメールが来たのが、

すでに俺がメール送った次の日の夜で

考えとくっつーだけでそんなに時間かかんのかよ、て思ったら


「ごめん、やっぱ日曜はムリだわ」

てメールが来たのが10日後の昨日

危なかった、こいつを待ってなくてホントによかった

と、俺はすでに高田を見限っていた自分をほめた


ちなみに


この考えとくよメールをタクマ語変換機にかけると


「あぁ、次の次の日曜?

まだ2週間後の休みはなんも予定ねーけど

もしかしたら誰かから予定入るかもしんねーから

ちょっとまだおまえとは約束できねーわ

もし、もしもだよ、まぁこの大忙しの高田様にとって

あんまねーことだとは思うけど

もし万が一ヒマだったら、遊んでやってもいいよ

一応、補欠としてキャンセル待ち状態にしといてやるよ(俺のほうが先に申し込んだにもかかわらずキャンセル待ち)」



高田は友達じゃないとわかった

タクマは賢さがアップした☆

人を信じる心が下がった(賢者にジョブチェンジする際には、この値が10以下でなくてはならない、よって賢者を目指すタクマには吉報)


「なぁなぁ、杉崎

おまえ、次の次の日曜ってなにしてんの?

もしよかったらさ、俺と東京ゲームショウいかね?」


「いやいや、次の次って、もう二週間しかねーじゃん!

そんなに急に言われても、無理だよぉ

次からは一ヶ月前くらいにいってよ、したら空けとくからさ」


おいおい、デブ崎、おまえはどんだけ大物気分やねん!

どの高さから物を言ってんだっつーの!

お前みたいなデブと遊ぶのに一ヶ月前から予約いれなきゃなんねーって

どうせ一ヶ月間みっちり食い放題のスケジュールなんだろ!

けっ、大物ぶりは体重だけにしとけっつーの!


ちなみにデブ崎からメールがかえってきたのは次の次の昼で

その時点ですでに残り一週間しか残されない感じになっていた


くそっ、だから二週間前から用意してたのに

どいつもこいつも断るだけのメールでさえ二日、三日平気で待たせやがって!

いやなんだよな、一週間前にメールしたりすると


「えっ、なにコイツ!

まだ週末の予定決まってないの!?

もう残り一週間しかないのにっ!

今から探したって誰も見つからないこと確定じゃん!

こいつ、死んだな・・・週末一人で日曜ロードショー~ロッキー2~とか見てること確定!

あぁ、いいたい、メールで言いたい

「おまえはすでに死んでいる」て!!

ぷぷっ、かわいそうに

あぁよかった、俺は予定が入ってて」


て思われること間違いなしだからだっ!

くそっ、だからいやなんだ、予定をたてたりするのは・・・


一人が一番、一人最高!!

人間は皆うんこだから、誘おうとした俺が間違いだった


でも、俺は不思議だ

どうして、俺に友達がいないのに

杉崎や高田には友達がいるんだろう・・


二人とも

「更衣室に水泳パンツ忘れていったやつがいるぞー」

とかいわれて、皆の前でパンツとりに行くような感じのキャラなのに・・・


はっ、そうか!

高田も杉崎も、一人ぼっちだってことがバレないために

俺にうそをついて見栄をはってるんだ!


そうだよ、そうに違いない!

そもそもあいつらに友達なんてできるわけがないじゃないか!


日本人は皆、学校や職場をやりすごすためだけに

友達を作るんだ

それ以上の友達とかは、日本の文化じゃない!


皆、見栄をはってるんだ・・・


俺は、東京ゲームショウ会場で

一人で来ている杉崎や高田を見ても

見なかったふりをしてあげよう・・・


そんなやさしい気持ちで

一人、部屋のすみでひざをかかえた


これから、ミスチルを聴きながら

本当の自分について考えるんだ

theme : 日記
genre : 日記

大きな明日

「タクマくんは、将来なにになりたいんだい?」


おいおい、いきなりきやがったぜ、このデリカシーのない質問がよぉ!

こいつはぜってーアレだ、男子便所で

全部便器があいてるってのに、入り口から近いって理由だけで

俺の隣でしょんべんするタイプだ!

ピートゥギャザァ、ビートゥギャァザァと

俺の頭のなかで鈴木アミが歌いだす



将来なりたいもんなんか、ねぇに決まってんだろ!

この国で将来なりたいものがある人間なんか

どんだけいるんだよ!


とりあえず大学に入って四年間あそぶ、それ以外の希望なんて

持ってるやつすら見たときねーよ!


でもな、こいつはビッグトゥモロウ読んでそうなタイプだからな

とりあえず大学に入るのが目標です、なんて言ったら

「大学は目標があって入るものだよ、これだから日本の大学生ってのは・・」

って、自分の学生時代を完全に忘れ去った表情で言われそうだしな

ったく、誰もがビッグトゥモロウマインドを全開に生きてると思ってんじゃねーぞ!


「この国に将来なりたいものなんてあるんですか?」

これはどうかな・・・いや、でもビッグトゥモロウなヤツは

「それは国ではなくて君の問題だよね

そもそも君は、この国にどれだけの職業があるか

知ってていっているのかい?」

て言われそう、いや、言うね!こいつは言うタイプだ!

で、帰りに13歳のハローワークを俺に本屋で買ってくれるんだ

気分はビッグトゥモロウの井筒監督だぜ!

そしてヤツの満足の象徴である13歳のハローワークをかかえて

打ち負かされた気分で家路につく俺・・・いかん!

そもそも13歳のハローワーク、うちの親が買ってきて

持ってるけど全然読んでねーし

あの本ほどコンセプトだけで売った本もねーと思う

全国の、プレゼントされたけど読んでないティーンエイジャーの声が

俺の耳にも聞こえるようだぜ!「ワンピースのほうがおもしろい」ってな!!


いかん、追い詰められてきたぞ

もうずいぶん俺が押し黙っているのに、ヤツは一言も口を開こうとしない

待ってる・・・きっとビッグトゥモロウに

「できる男は相手の出方を、じっと待つ。待てる男ができる男」

て書いてあったんだ、そうに違ぇねぇ!!


くそっ、なんで俺がこんな気分を味わわなくっちゃいけねーんだ!

こういう質問を、面接以外の場所でするのは

人権の侵害だと、サヨクのやつらがさわげばいいのにっ!


そもそも、この質問は、俺の答えではなく

質問した相手のお口にあうような答えをひねりだす

というゲーム


つまり、まず俺はヤツの目から見て

俺がどの程度の人間に見えているのか
を推測し

次にヤツのイメージのなかの俺が

語っても分相応な、エコノミーサイズの夢
を頭のなかで

さがさなくてはならない!

本当に気を使う作業、ヤツに失望されないように

あなどられないように、世間的に見て58点くらいの

ちょうどいい夢を探さなくては・・・


こんだけ気を使わせる質問をする時点で

ヤツこそたいしたことない人間だ、と俺は思う

プライベートなのに接待気分で

俺はやつのお気に召す夢を必死で探している


「まだ、決まってない感じなのかな?」


ビッグトゥモロウ的な深みのある低音で、ヤツがやさしげにいう

俺はその優しい声にカチンときて、その瞬間

完全にやつのビッグトゥモロウ的満足を満たす答えを導き出した


「あなたのような、大人になりたいです」


ビッグトゥモロウマンは、恥ずかしげに少し照れて微笑んだ


theme : 日記
genre : 日記

第三世代タクマ

メールは送った時点から敗北がはじまるおそるべきツールだ・・

孤独の海から発進された船が、無事帰還できなければ

孤独をまぎらわしたくて送ったメールは、さらに孤独を深める結果となる


タクマは第三世代ケータイ世代だった

第三世代ケータイ世代というのは、その端末の進化にあらわされるように

通話はおまけ、メールがメインという世代

通話品質なんかより情報端末としての機能を充実させてほしいと願う世代だ


「メールとかめんどくせーから、俺、すぐ電話しちゃう」

なんていう一つ上の世代の人々を

迷惑な人だな、と思うくらい

電話での会話が苦手でもある世代


メールをしなければ、俺は負けることはない

とタクマはつぶやく

「きじも鳴かずば うたれまい」と書かれたTシャツは彼の一番のお気に入りだ

タクマはケータイの前でかたまる

きじも鳴かずばうたれまいこそ

今の日本人の心をあらわす最高の格言だ

そうつぶやきながらも、ついタクマはメールをうってしまう

一人でいると、なぜか携帯をいじってしまって

携帯は、いじっていると孤独を深めていく魔法の道具だからだ


孤独から目をそむけたくて、タクマはメールを送ってしまう


「上は大火事、下は大泉洋ってな~んだ?」


そして、メールはその端末の手元を離れ

01の海に乗った時点から孤独がはじまる、恐るべきツールだ


そこから、デジタルに刻まれていく時間と、デジタルに白黒つけられる孤独


返事がくればひきわけ、返事がこなければ俺の負け

決して勝つことはない


負けないで、もう少し、最後まで歯ぎしりし続けて

ひきわけに持ち込めるかどうかという戦いがはじまった

あいつは俺のことを大事に思ってくれているんだろうか・・

大事な人からのメールなら、確実に返事をするはずだし

もし好意というか、そんなようなものがあるとするなら

それはメールの返信のはやさにもあらわれるはず・・・


五分経過


まだ、返事が来ない

ま、まぁあのなぞなぞはけっこう難問だからな

そんなにすぐ、答えが導きだせるはずがないか

今頃、多分必死に頭をひねって考えてる頃なんだろうな


十五分経過


くそぉ、なんてこった!もう完全に追い詰められたっ!!


電源を切りたいっ!

もう、このいまわしい通信機の電源を切って

メールの呪縛から自由になりたい!

あの大空に翼をひろげ

飛んでいきたいよ

悲しみのない、自由な空へ


テレッテレッテッテ~♪


おぉ、へ、返事がきた!

よかった、俺は負けてないっ!

まぁ、あの問題だったら考えるのにこのくらい時間がかかって当然か

さて、果たして正解してるかなぁ?


俺は返事がきたことにちょっと胸をなでおろしながら、

喜びいさんでメールをひらいてみた





「ごめん、ちょっと今忙しいからあとにしてくれる?」





べっ、別に俺だってヒマじゃねーしっ!!



かぁー、完全に俺をヒマ人だと思った!コイツ!


許せんっ!人がせっかくメールしてあげたのにっ!


おまえからメールしてこないから

俺からメールしなきゃいけないんじゃないかっ!

それをヒマ人よばわりしやがるなんてっ!

ひどい!あんまりだ!

よーし、見てろ!


「俺、おとといから三時間しか寝てないよ」


どうよ、この俺の忙しさ具合っ!!

三時間寝てないなんてすごくない?

俺ってばちょー多忙だしっ!

全然おまえなんかに負けてないもんねーだっ!

しかもおとといからだからね!

人生よくばりまくりな活動時間っ!

72時間中三時間しか寝てないって!

3日でレム・ノンレムワンクールだぜ!

俺の忙しさはトムクルーズ並っ!


「お互い大変だねー」


おおっとぉ、お返事がきましたよぉヒマ人さんからっ!

よっ、この寝まくり魔人っ!

お互い大変だってぇ?

いやいや、お互いじゃねーしっ!

3日で三時間しか寝てない俺の忙しさに比べたら

おまえなんか死ぬほどヒマ人なんだからっ!


一緒にしないでもらえるかな?


「メールにすぐ返事するなんてヒマ人だね(笑)」


そう返事をし、俺は携帯の電源を切った

theme : (´・ω・`)
genre : 日記

夢診断タクマ

俺は今、心理学系の大学の体験入学のようなイベントに来ている

消去法で将来を選ぶ時代にうまれたこの俺様も

とうとう大学を考えなくてはならない年齢になってしまった


まず、消去法でいくと

就職はありえない

働くなんて 一生先延ばししていたいイベントナンバーワンだからだ

なので進学となるが

そこでまた問題がある どんな学部に進むか、だ

学びたい学問なんて あるわけがねぇ

学校のつまらなさはここまでの人生で十分に理解しまくった


しかし、そんなタクマ様も 学校を選ばずに進学することはできない

いくらタクマ様といえども 学校もなく進学はできないだろう


ということで 消去法で心理学を選んでみた

この時代に生まれて 人の心に興味を持たないやつなんて

はたしているんだろうか



で、ためしにカズヒロを誘ってこのイベントにやってきたわけだが

このイベントには 俺のほかに

同じクラスのヤツも 二、三人やってきている

まぁ、学校でプリント配られて募集してたんだから 当然か


俺は、親友のカズヒロも誘い、このイベントにやってきた

が、びっくりしたことに

カズヒロは、心理学を学んでいる大学生の前で

なっ、なんといきなり腕組みをしていやがるのだ!


心理学を学んでいるやつの前で腕組みをするっていうのは

馬の目の前に にんじんをたらしているようなもの

心理学をやっているとはいえ 人間の心には

わからない部分がいっぱいあって

正直、心理学で答えられる部分など、本当に少ししかない

しかし、だ

そんな心理学の世界において 鉄板の法則が

「腕組みをしているやつは、自分の心をガードしている」
というもの!

まさに今のカズヒロがそれっ!(余談だが、俺の周りに来る女の子が皆腕組みをしていることに、俺はすくなからずいつも傷ついている)




俺には あの大学生の心の喜びが目に見えるようだ


「おやおやぁ、なんとまぁ、腕組みをしていらっしゃる高校生がいらっしゃいますよぉ!

言いたい、言ってやりたい!

腕組みをしているキミ、もっとリラックスしていいんだよ

大丈夫、なにもとって食おうってんじゃないんだからさ、ははは


て言ってさわやかに笑いたい!

そして あの高校生の

「なっ、なんで俺の心のなかがわかったんだ!

心理学、おそるべしっ!」
ていうリアクションを見たいっ!」


て、あの大学生はぜってー思ってるに違いねぇ!

俺は手刀を作ると、腕組みしているカズヒロの腕の真ん中を

ほあちゃぁ!とたたき 腕組みを切り落とした



「じゃあ今日はせっかく皆来てくれたことだし

ひとつ、夢診断でもしようか

心理学のおもしろさが、わかってもらえると思うんだ」


ゆっ!夢診断だとぉ!

こいつ、完全に俺たちの

性的嗜好を探る気だっ!!



俺は知っている

夢診断っていうのは、変態フロイトが考え出したもので

もう、何を言ってもセックスに結び付けられること間違いなし

問答なのだ!

もし俺が心理学で有名になったら

夢のなかに、セックスの象徴でないものなどはない
という名言を残してこの世をさりたいくらいだ

そのくらい、夢診断はセクハラ診断なのだ



しかし、それにしても、こいつ、こんな涼しい顔して


女子高生の性的嗜好を探ろうとするなんて

おそろしいヤローだぜ!

高校生に夢診断を強要する大学生・・・

条例に抵触すんじゃねぇのかな

女の子たち、かわいそうだな・・



いや、今は人の心配をしている場合じゃねぇ!

なんとかして性的なものに結び付けられることのない

完璧な由緒正しい夢の内容
を考えなくては!


まず、棒状のモノや穴とかがでてくる夢は確実にダメだ

あと、蛇とかがでてくる夢もダメ

あとは、えっと・・・食べたりするのもたぶんセックスに関するだろうし・・えーと

くぅ、なにがでてきてもセックスじゃねーか、くそぉ


どうすれば・・・ここには同じクラスのヤツもいる

そんな前で「タクマくんはかわったエッチがしたいんだね、君の夢は

かなりのスカトロマニアであることをあらわしているよ」
なんて言われてみろ!

明日から学校にいけなくなっちまう!


くぅ、完全に追い詰められたぞ!

まさか学校見学に来て、性的嗜好をのぞきみられることになるなんて!!

どうしよう、くそっ、どう答えれば

セックスとは関係なくなるんだぁ!


「じゃあ・・・まず、そこのキミ

最近見た夢の内容、教えてくれるかな?」


一人目のいけにえは、カズヒロだった

やっぱりさっきの腕組みから「こいつは心理学的にちょろい」

そう思われたに違いない

すまないカズヒロ・・・俺がさそったばっかりに・・・

しかしカズヒロは、そんな俺の心など知らず

純粋に昨日見た夢について語りだした


「えっと・・僕が昨日見た夢は

あの、漫画とかにでてくるような、でっかい飴を

手にもって、ぺろぺろ舐めて歩く夢でした」


アホか!そんな夢の内容を心理学やってるやつに話したら


完全にキミは男性器を舐めたいと思っているね!

間違いないよ!

いや、君が気づいてないだけで

無意識ではキミは 男性器を舐めたいと思っているはずだ!!



て言われるに決まってるだろ!!

俺はカズヒロの正直さをあわれんだ・・・

あいつは、夢診断の恐ろしさをまったくわかってないんだ


大学生はなにかを手帳にメモすると

「じゃあ次は・・・きみ、覚えている夢を話してくれる?」

と女子高生を指差した

どうやら夢の内容については 最後に

全員分の夢診断を行い、まとめて教えてもらえるシステムらしい


そりゃあそうだろうよ!夢診断の内容がほとんどセクハラだと知ったら

女子高生にきけなくなっちまうからな!

次に指名された女子高生は、黒髪のおとなしそうな娘で

なかなかかわいかった


俺は、胸がドキドキするのを感じた

こっ、こんなおとなしそうな娘が

エロい夢を見てるなんてなぁ!!

それがついに、夢診断によってあばかれるなんて

こんな皆の前で、自分のエッチさ具合を話すことになるなんて

ちょっとかわいそうだな

でも、それを聞くことができるなんて、ちょっとかわいそうだけど

でも今日来てホントに良かった!!

指名された娘は、とまどい、友達のほうをちらちら見ている


かぁー、もじもじしてねぇで、さっさと聞かせろってんだよ!

おまえのその外見に似合わない

無意識の世界のエロさをよっ!!


「あっ、あの・・・私、けっこうよく

空を飛ぶ夢を見るんですけど」


空を飛ぶ夢だってぇ!!

エロい!!エロすぎるぜぇえええ!!だんなぁ!!!



空を飛びたいっていうのは、つまり

セックスがしたいってことに違いない!

いや、待てよ、空を飛ぶってことは、つまり

オルガスムを感じたい、ってことかも・・・

つまりこの女は、欲求不満なんだな!!

彼氏がへたくそだってことだ!

なにっ、てことは、こんな清純そうな顔して

彼氏とヤりまくりなうえに

欲求不満になるほど、飢えているってのか!

すでにただセックスするだけでは飽き足らず

テクニシャンを求める段階にまで進んでるってことなのか!

くそっ、こんな清純そうな顔をして

何度も何度も、空飛ぶことを夢見ているなんて

けしからんよ、まったく!

なんという性の乱れなんだ!

して、他にはどんな夢を見るんだね、先生に話してみたまえ


「へぇー、空を飛ぶ夢ねぇ

それは途中で落っこちたりはするの?」


おぉっと、これはどういう意味なのかな?

もし途中で落ちたりしたらそれはつまり・・・

この女はヤリマンだってことだ!!

そうに違ぇねぇ!無意識的にヤリマンなんだ!

誰でもいいんだ、誰でもいいからやりまくりたいってことだ

だから空から落ちてしまうんだよ、この堕天使がぁ!

おまえに空を飛ぶ資格はねぇってことさぁ!!


「いや、落ちたことはないですね

けっこう気持ちよく飛んでますよ」


ちっ、ヤリマンじゃねーのか・・・まぁいい

まだまだ他にも女子高生はいるからな

さぁさぁ、先生、次のいけにえに向けて

性的いやがらせの質問を、バシバシいっちゃってくださいよ!

うひょぉ、楽しくなってきやがったぜぇ!

心理学最高!俺もちょー学びたいもん!

質問してぇ!!質問する側に立ちたい!!


「えっと・・・じゃあ、キミ、どうかな?」



そこでいきなり指名されたタクマは、頭が真っ白になり、なんとか性的なものに結び付けられないような夢を創作しようと試みるも、まったく思いつかず

いきなりその場を走り去った。

残されたタクマのクラスメイト達は、その様子をクラスの皆に話し

クラスメイト達は皆

「タクマはきっと

すげぇいやらしい夢ばっかり見ているから、皆の前じゃ話せなかったんだ

きっとクラスの女子を出席番号順に日替わりで

夢のなかで犯しまくっているに違いない」と口々にうわさし

タクマの伝説に、新たな一ページが加えられたのであった

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genre : 日記

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