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歩くチブ ザ・クロマニヨンズ

ちんちんをだして歩くより、顔をだして歩いているほうがはるかに恥ずかしいことだって、おいらはずっと思ってたんでやんす


高校に入ってインターネットをはじめてから

タクマはあんまりおいらと遊んでくれなくなったんやんす


そんなにインターネットは楽しいのか?と尋ねるおいらに

タクマは目を輝かせて言ったんでやんす


「本当の自分だよ、本当の自分になれる場所なんだ

誰も俺をクドウタクマだって知らない場所でこそ

俺ははばたけるんだ

やっと見つけたんだ、本当の自分でいれる場所を

俺はずっと、一人でいるときにしか本当の自分にはなれないって

ずっと思っていたんだ

でも、あったんだよ

その一人の状態でコミュニケーションできるツールがっ

この光回線を通してなら、俺は本当の自分のまま外にでれるんだ」


本当の自分、そして心の闇っていうのが

おいら達の世代にとっては一番大切な概念なんでやんす

誰もがお部屋に自分だけの呪いのポエムノートを持ち

突然カタカナになるポエム(コロシテヤル、など)を書きつづっているんでやんす

もちろん皆、ミスターチルドレンが大好き


おいらといるときもやっぱりタクマは本当の自分じゃあなかったんだな

などとはつゆほども思わず

おいらは純粋にうらやましいと思ったんでやんす


本当の自分を外にだしてあげたいんだ!とインターネットを文学的に親父にねだって

「うんこしたいならトイレでじゅうぶん」とさらに文学的な切り返しで断られた次の日

おいらは本当の自分を外にだしてあげることにしたんでやんす


顔さえ隠していれば、他は裸でも恥ずかしくはない

おいらは昔からずっとそう思ってて

だからいつも帽子をかぶって生きてきたんだけども

顔なしモウマンタイ理論、まさにそれをタクマの生きざまが証明してくれたんでやんす

顔につけるための巨大なコンドームを手作りし

おいらは全裸で街に飛び出したんでやんす

顔さえわからなければ、おいらだとは特定されない!

おいらだと特定されなければ

おいらはなにをやっても無敵!!


街ゆく人達がおいらのために道をあけてくれる

ちんちんがふとももにあたり、ぺちぺちと音をたてている

本当の自分、なんという解放感っ!


おいらは思わず歌いだした


♪全身恥部イェイ

全身恥部イェイ

身体の一部が恥部じゃない

私は全部恥部なんだ


あぁ、わかる、わかるよータクマ


これが、これがインターネットなんだね!


本当の自分なんて、最高の恥部を

おいらは今、街中にさらけだしているんでやんす!


それでも

誰もおいらをおいらだとは思わないんだね!


インターネット的なそよ風がおいらの身体を吹き抜けていく


おいらは叫んだ!


ごらんよこれがぁぁああああ!!

裸のォぼぉくさぁああああ!!


いつも歩いているんだかいないんだかわからなかった街並み

おいらは今、確かに、確実に、一歩一歩踏みしめ生きている

本当の自分が解放されながら

さらに誰もおいらだとは思わない

本当の自分が偽物の自分から

どんどん切り放されていくのを感じる・・


もう、帰りたくないな・・・

リセット願望と変身願望をあわせもった香りが

この道の彼方から匂いたってくる


このまま、本当の自分で生きていけないかな?

コンドームマンという名前でラスベガスでショーをして

生きていけないもんかな?


そんなことをぼんやり思っていると

ふっと視界が真っ暗になった


このあと、密閉されたコンドーム内にて酸欠になったカズヒロは、全裸のまま頭に巨大コンドームをかぶった状態で失神。くしくもそれは自分が通っている学校の目の前で、コンドームに殺されかけ、救急車を呼ばれかろうじて一命をとりとめ、新しい時代の自殺未遂、そのとき彼が伝えたかったものとは、といった小さなニュースとなるのだが、それはまた別のお話




theme : 思ったこと・感じたこと
genre : 日記

子羊達の沈黙

「きゃー、ちょっとちょっと、カズヒロさんよ

あ、今わたしを見た

ねぇ、ねぇ、カズヒロさん今わたしを見たわっ」


「はあっ?なに言ってるの?

アンタそろそろコンタクトのかえどきなんじゃない?

カズヒロさんはね

今、あたしを見たのっ!

誰があんたみたいなブスを見るもんですかっ!

鏡を見てものを言ったらどう?」


「きいぃっ、なんですってェ!

カズヒロさんは今確かにわたしのほうを」


いい気になってる気がする


俺は廊下の向こうで騒ぐ女子二人を見つめ

クールぶったカズヒロの横顔を見る


こいつ、まさか、いい気になってんじゃねーよな?


今朝、下駄箱を開けると大量のラブレターが

カズヒロの下駄箱からあふれでてきた

なんだっ?そんなムーブメントが来てるのかっ!

ラブレターブーム到来っ!?

もしかして今日からは毎日皆の下駄箱にラブレターがほおりこまれるようになったの?

そんな日本のあらたな文化的習慣

わりとカモン!なんだけど

とあわてて下駄箱を開けた自分が恥ずかしくなるほど

俺の下駄箱には何も入ってなかった

「日本の景気がよくなってるっていうけど

俺達の給料は全然かわらないんだよな」


とテレビで嘆くサラリーマンがなぜか俺の頭に浮かんだ


カズヒロは俺の手からハート型のシールで封をしてある封書を奪い取ると

青春に向かって駆け出していった


一人下駄箱に残された俺は

急にものすごい不安にかられ

端から適当に五個くらい下駄箱をあけてみて

そこになにも入ってないことにホッとする

もしかしたら今日から皆の下駄箱にラブレターが入っていて

俺のにだけ入ってないんじゃ・・・と不安になったのだ


カズヒロが歩くと周りの女子がさわぐという状況が

さっきからずっと続いている

廊下の向こうで女子が小さく手をふる

カズヒロははにかんだ笑顔で小さく手をふりかえしている


俺は、その赤くそまったカズヒロの顔を確認する

その表情のどこかに、ちらっとでも

いい気になってる気配があったら大変なことだからだ


俺とカズヒロは、中学に入ったころからずっと同じクラスで

ずっと同じ、スクール型カースト制度の底辺をはい回っていた

キモイカズヒロ、キモイタクマという共通の苗字を与えられ

キモイ家の人々、というカテゴリのなか一緒に暮らしてた

そのカズヒロが、今、俺から遠い場所へ行こうとしている


確かに、あの番長をカズヒロが倒したっていうのはすごいことだと思う

中学生にしてすでにわりと太めのひげがはえてきてた

あの番長の先走った男性ホルモンを叩きのめしたっていうのは

尊敬に値するとは思う

だけど・・


「おい、カズヒロ、おまえさっきから

なんか、やけに俺と距離をとって歩いてるんじゃね?

まさか、俺と一緒に歩くのが

恥ずかしいってんじゃないよなぁ?」


「え?なに言ってんだよタクマ

いつもどおりじゃん」


「かぁーっ、しらをきってんじゃねぇよカズヒロ

いや、もうカズヒロさんって呼ぶべきですかね?

一日にして士農工商の上位にいかれたカズヒロさんとしては

俺なんかと一緒に歩くのは恥ずかしいってわけだ」


「いやいや、なに言ってんだよタクマ。おまえちょっとへんだぞ」


「あぁそうだよ、俺はもともとヘンなんだよ

ヘンなヤツ軍団から抜け出し遊ばしたカズヒロさんからみたら

やっぱ俺なんかもう友達じゃねーって感じですかね、けっ」


「何言ってんだよ、タクマ

おまえはすげー大事な友達だよ

俺がどのくらいおまえのことを大事に思っているか

じゃあ今からみしてやるよ


タクマ、友達だから言うけどな

おまえ


鼻毛でてるよ」


なぁっ!完全にいい気になってやがる!


他人の外見をあげつらうようなヤツにまでなり下がりやがったのか、カズヒロ

しかもこのタイミングで

俺の一番弱い弱い部分を

ピンポイントでえぐってきやがった

俺が鼻毛関係弱いことを知ってのロウゼキだ


俺らにとって他人の外見をあげつらうようなことだけは

タブーだったはず

どんなに非美人を見つけたとしても

その外見を笑えるほどの外見をしていないことを

俺達はよーく知って、身のほどをわきまえてたはず


「いままで言えなくてごめんな、タクマ

でも、ホントは

おまえ、オールウェイズ鼻毛でてたんだ」


俺にとどめをさそうとするカズヒロを置き

俺は上を向いて走り去った


涙が、こぼれないように



その後、インターネットの世界に出会ったタクマは、その「自分みたいなうんこが生きていてどうもすいません」という文体で誰もが物語る世界におおいなる共感を抱き、某掲示板にて暴れまわる暴君となるのだけども、それはまた別のお話

カズヒロ・ライジング

これはまだカズヒロが語尾に「~でやんす」をつける前の話


当時、中学三年生だったカズヒロの学年には

番長がいて

その番長の悪さは次第に 女子への性的な何かにかわっていった


こまった女子は なぜかカズヒロに番長を倒してくれるように依頼


カズヒロ「・・・じゃあもし、おいらがヤツを倒したら

その見返りにはいったいなにが?」

困っている女子代表「そのときには、あなたを

一日学園アイドルに、してあげるわ」


その後、カズヒロはさまざまな手を使い

ついに番長を激破!!(このへんの詳細につきましては

ハラキリロマンをごらんのストーリーテラーの皆さんが

うまいことお話を作ってトラックバックしてくれるであろうことを

期待してますw)

話はその翌日から始まる


「おっ、カズヒロ、おはよう

どうだ?昨日番長にやられたケツは?」


「もう真っ二つだよ、穴が貫通して口まで届きそうなくらいさ」


その日本古来より伝わるトラディショナルなお尻ジョークをかましながら

片手でおしりをおさえると

タクマはキャッキャキャッキャ手をたたいて喜んだ


その笑顔を見て

「やっぱりこいつは不細工だな~」との思いが湧き上がるのを

もう誰にもとめられない、とおいらのなかの美意識が叫んだ


笑顔が素敵じゃないなんて、こんなに悲しいことはない


そしてタクマは今日ももれなく鼻毛がでていた

毎日鼻毛を出し続ける生き方っていうのは どんなものなんだろう


こういうときに、注意してあげるのが本当の友達なのかな

とも思う

でも、タクマはおいらと同じくらいナイーブハートの持ち主だ

きっと「鼻毛でてるよ」なんて言ったら

ものすごく傷つき、そして逆恨みするだろう

まるでおいらが鼻毛をひっぱりだした、ぐらいの勢いで

タクマはおいらを逆恨みするだろう

「なんでもっとはやく教えてくれないんだ!見損なったぜ」

くらいのことは言われるかもしれない


「おしりが真っ二つて!!ハハハ、ツボった!」

といいながら笑い続けるタクマのゆがんだ笑顔を見て

やっぱり類は友を呼ぶっていうか、おいらもこいつと同類だって

他の人からは見られてるんだろうなー

と思いながら靴を脱ぎ、下駄箱をあける


バサバサッ


あけた下駄箱から落ちてきた大量のラブレターを見て

おいらは一瞬「しまった!学園のアイドルヒロシさんの下駄箱を

間違えてあけてしまったのかぁ!!」と思ったけども

しかし、そこは確かにおいらの下駄箱だった


「おいおい、なんだこれ・・・もしかしてラブレターかっ!?

えっ、なに?番長をやっつけたから、カズヒロ、もしかして

も、モテモテになっちゃったの!?

なんだよー、そんなになれるんだったら、俺も番長と戦えば」


と嘆く親友タクマからラブレター一式を奪い取ると

おいらは大急ぎでトイレに駆け込んだ

その様子を見たクラスの男子から

「猛ダッシュうんこマン一号二号」という不名誉なあだ名をつけられることになったとしても

いますぐこの青春を味わってみたい気持ちを抑えられなかった


はっ、ハートのシールで封がしてあるっ


おいらがいままでにもらったことのある手紙は全て

うんこ型のシールで封がしてあるもの(なかにはタクマの書いたつまらないギャグ漫画が入っていた)や

アニメのキャラの顔で封がしてあるもの

そして、タクマがおじいさんから教わったという

米粒をノリがわりにするという手法で

封がしてあるものばかりだった


おいらは、その素敵なハートを

慎重に慎重に、そっとそぉっと

警視庁の爆弾解体班も真っ青の慎重さで

全く手紙に傷をつけることなく

シールをはがしとり、手紙の封をきることに成功した



バカの壁

ラブレター(?)をもらった


文面:「今日の放課後、16時半に体育館裏に来い」


これをラブレターと呼んでいいのか

ラブレターというものをいままでもらったことがない私にはわからないけども

ただ、生意気な後輩をシメようという先輩からの呼び出しでないことは

差出人の名前と、封にはられたハート型のシールでわかった



いや、でも、それも偽装工作なのかも・・・とも思ったけども

だったら差出人の名前をもっと食いつきのいい男の子にするはず・・・


このラブレター(怪文書?)の差出人は あのやんす(通称キモカズ)だった


「カズヒロでやんす!!」と教室の隅でへんなポーズをきめ

ちょーハイテンションだったかと思うと

次見た瞬間にはなぜかがっくり落ち込んでいるキモカズの姿を

私は思い浮かべる


このラブレターはさまざまな可能性を私に想像させる


「えっ、あの教室の隅で、ツルに見立てた手刀で

あちょちょちょちょ!っていいながら

壁を突き刺しているのが のりちゃんの彼氏なのっ!?」


と驚く親友いずみの顔・・・

「いや、まぁ・・・」としか答えようのない私


キモカズの本名はカズヒロといい、うちのクラスを代表する

個性派だった

彼は自分のことを「おいら」と呼び

語尾には必ず「~でやんす」をつけた


それらは、どちらも普通に生活していて

自然についていく風習ではない



私は、彼が「今日から俺は、自分のことをおいらと呼び

語尾には必ず~でやんすってつけるんだ!」と決意した朝のこと想像する

それは晴れ渡ったone morning

きらびやかに光差すような誕生日


今日から俺は、いやおいらは

うまれかわったんだ、いや、うまれかわったんでやんすっ!!


そう決意した瞬間のキリリとしたであろう彼の表情を想像し

私は



とてもじゃないが愛せないな、と確信する



それでもきちんと体育館裏へ向かう自分を見て

こういうところが私の弱さなのかな

と思う

シカトするほうがラクだけど ちゃんと断らなくちゃ失礼だって

そう教えてくれる漫画を読んで 育ったから


体育館裏へ続く道の途中から その声は聞こえてきていた


「脱げ!!オラ、いますぐ全部脱げ!!」


私は、その謎の奇声に驚きながらも

体育館裏に到着する


奇声の主はカズヒロだった


「ほら、はやく脱ぐでやんす!!

おいらの言うことが聞けないんでやんすかっ!!」



壁を・・・脱がそうとしている・・



私は、その衝撃の光景に立ちすくみ

そっとあとずさりをする

すると、お決まりどおりに私の足元には枯れた木の枝があり

パキッ、と気持ちのいい音をたててカズヒロを振り向かせる



「おぉっと、やっと本物が来たでやんすね!!

さぁ、クメさん、いますぐここで脱ぐでやんす!!」


やばい、


カズヒロは



私を




壁だと思ってるんだわっ!!



この誤解を解かないと大変なことになってしまう


「違うわ、カズヒロさん

あなたの相手は私じゃないはずっ!!」


「なにを言ってるんでやんすかっ!

しらをきっても無駄でやんすよっ!!

おいらはおまえの秘密を知ってるんでやんすよっ!!」


壁の・・・秘密?

カズヒロが言った言葉に 私の好奇心がうずく



「秘密って・・・?」


「おまえがド変態女だってこと

おいらは全部知ってるんでやんすよっ!」


壁としゃべる能力を目の当たりにしたあたりから

もしかしたらそうかな、とは思っていたけれども

ひょっとして、カズヒロは

大宇宙ドコモの電波を

受信しちゃってる人なのかもしれない



「そ、それは・・・おおいなる声が

あなたの耳に告げた言葉なの?」


「だから、シラをきるなって言ってるんでやんす!!

クメさん、おいらは見たんでやんすよっ!

クメさんが、おしりの穴にキュウリをつっこんで

よろこんでいるところまでねっ!」


電波を受信しているどころじゃない


この人・・・



バリ3だわっ!!



私があまりの恐怖に絶句していると

カズヒロはバックから 謎のDVDを取り出してきた


「ほら、これを見ても、まだシラをきるつもりでやんすかっ!?」


そのDVDのパッケージには私そっくりの女の人が

裸になっている写真がはられていた


アイコラ・・・私はぞっとする

いつのまにか、私の顔写真が盗み撮りされていて

それを、こんなふうにパソコンで合成しているなんて・・・


「ほら、これをおいらは見たんでやんすよっ!

どうでやんすかっ!?おいらの言うとおりにしないと

これを、学校中にばらまくでやんすよっ!

おいらは知ってるんでやんす!クメさんが

そんなまじめそうな顔をしていながら

ド変態だっていうことをねっ!」


このアイコラを・・・学校中にばら撒く・・・

私は恐怖で立ちすくんだ


しかし、カズヒロがバックからキュウリをとりだし


「さぁ、これをいますぐケツの穴にさしこ」


と言い出した瞬間、大急ぎでかけだした


なきながらいずみに相談すると

いずみは職員室へいってくれた


そしてカズヒロは停学になったけども

私には、それ以来ずっと

男子の奇異の目がそそがれ続けている




現実リンク

おいらくらいのAVレンタルヘビーユーザーになると

ただ女の子が脱いでエッチしてるだけでは

物足りなくなってくるんでやんす


そんなAV倦怠期に

おいらが発明したのが

現実とAVをリンクさせるという魔法


うちのクラスのカワイイ女子に

似てる(ちょっとでも似ていれば

あとは脳内で補完できるから十分なのでやんす)女優を探し

「あぁっ、佐々木さんっ!

あっ、あの佐々木さんが、そっ、そんな

あっ、ああっ、佐々木さんっ!」


と言いながらする一人エッチは

すごい興奮!

どくどくが止まらない!!


そして、そんなエッチをした次の日に

クラスで普通に佐々木さんを見たときの

あの、なんかちょっとテレる感じも

いい☆


エッチしたあとで、職場で普通に逢ったりする恋人同士も

こんな気持ちなのかな?って連想して

なんだか佐々木さんと秘密を共有しているような

甘い気持ちになれるのでやんす

学校で佐々木さんの姿を目に焼き付けて

持って帰ってのランデブー♪

次は、あの佐々木さん女優の女子校生モノがないか

違うビデオ屋にいって探してみよう


そんな気持ちで訪れた西口のビデオ屋で

おいらは驚くべきビデオを発見した


「えっ!?クメさんっ?」


そのビデオはいままでの

脳内で補完してなんとか佐々木さん

といったレベルではなかった

補完の必要まるでなく

完全にクメさんそのものだった


おいらは急いで父親をだまし

そのレンタルビデオ屋の会員証を作らせると

大急ぎでそのビデオを借りて帰った


似てる、見れば見るほどよく似てる

普段ははや送りしまくりの

女優がしゃべっているだけのシーンも

じっくりと見た


声も、似ている


なんだか、おいらはすごくドキドキしてきた

その女優は音楽が好きで

カラオケによく行く、としゃべっている

確か、クメさんの将来の夢は歌手になることではなかったか?

その練習のために、友達とよくカラオケに行くという話を

おいらのデビルイヤー(地獄耳)が聞いた気がする


そして、そこで微笑んだその女優の笑顔を見て

おいらは確信した


これは・・クメさん本人でやんす


だって、声も趣味も同じで

さらにあの笑顔まで・・


おいらの頭のなかで、全ての謎がとけていく

原宿を歩いているクメさん

「歌手にならない?」と声をかけられるクメさん

連れていかれた事務所

悪魔のビデオカメラがクメさんに襲いかかる

抵抗するクメさん、しかし男の力にはかなわず

無理矢理ビデオをまわされるクメさん

「いや、やめてっ!」

最初は抵抗していたクメさんだったが

身体は意思と反して・・

「あれ?いやがってるわりには

アソコはもう、ほら・・

欲しいんだろ?え?

正直に言ってごらん?」


「欲しい・・です」


「なにが欲しいんだい?」


「あ、あなたのおちんちんが・・・恥ずかしい」


あぁっ、クメさんっ!そんな、そんなこと言っちゃダメだよ、そっ、そんなっ、いやらしい、いやらしいよクメさんっ!あぁっ、あっあっ、クメさん!!クメさんっ


おいらはビデオのなかのクメさんを見つめる・・・

クメさんにこんな過去があったなんて

知っているのは、今、おいらだけ・・

クメさんはこの秘密をバラされないためなら

なんでもする


おいらの頭のなかに、いつか見たAVのストーリーがよみがえる

今果てたばかりなのに、不死鳥のように再起するジョニー

おいらは、画面のなかのクメさんを見つめる


この人が・・・おいらの初めての人に・・

それどころか、おいらの

専属奴隷にだってできるんでやんす

おいらはクメさんの

すごい秘密をにぎっているんでやんすからなっ!



次の日、学校に行ったカズヒロは、クメさんを呼び出すとAV疑惑を持ちかけた。
ものすごい勢いで走り去るクメさん。
まず、友達に相談す。クメさんフレンズは先生に相談するよううながす。
職員会議の結果、学校はじまって以来のハレンチな理由で停学になるカズヒロ。
先生達の隠蔽工作もむなしく、学校中に広がるクメさんAV伝説。
カズヒロは学校中の男子からひそかに感謝されたが、同時に学校中の女子からキモがられた。
カズヒロはもちろん、クメさんも、この事件の影響でか恋人ができないまま高校を卒業し、知人がいないという理由で東京の大学に進学し、ジェンダー問題を扱うブログを書き始める。
また、同じ時期にカズヒロも無修正AVへのリンクをはったブログを書き出すのだが、それはまた別のお話




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